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2010年1月11日月曜日

いまさらなんですが

むむぅ、いとうつくし!
かれこれ600年くらい前から言われてたことなんですがね。



Les Très Riches Heures du duc de Berry
ベリー公のいとも豪華なる時禱書です。

最初に見たのは美術史。。。じゃなくて世界史の教科書だったっけ。
中世ヨーロッパの解説の口絵として載ってました。
いまも載ってるかな?

なんといっても青の美しさ。ものの本によると、
「12~13世紀ごろに、ラピスラズリからウルトラマリンを精製する方法が確立し顔料としての華々しい地位を得た」らしい。

教科書には農民の働く姿だけが載っていましたが、美術書で初めて見た「お貴族さまのくらしぶり」を描いた頁がまさに豪華。いとも豪華。
看板に偽りなし!さすがベリー公(知らないけど)。

高価な青色顔料を惜しみなく使っているあたりにも、その豪奢ぶりがうかがえます。
なにはともあれ、後世にこんなに美しいものを残してくれたことに感謝です。


青っていろんな表現がありますね。
蒼に碧、聖母のローブは瑠璃色で、縹(はなだ)、藍、群青、もちろん水色に空色。
舶来っぽくプルシアンブルー、コバルトブルー、インディゴにアジュール。
ラピスラズリは青金石、アズライトは藍銅鉱、水分を含んでマラカイト(孔雀石)になる。。。うっとり。。。(無駄にポエティック)

ああ、また青い本を作りたくなってきた。。。

2009年11月15日日曜日

ファッショニスタではないけれど

先週の本屋で。
やったら黒い箱を買ってる女子が多いなーと思ってたら、これですね、例の。



本屋めぐりしてて行く先々で見かけました。
ネットでも売れてるみたいで、一瞬「買っとくべき?!」と錯覚しましたが、あのトートを使っている自分が想像できず、というか、いつどこで使うのかがわからず、「猫に小判」と気づいて正気を取り戻しました。
自分に縁のないものを買っても、ねえ。

ブランド物に対する所有欲というのは私にはないようで、どっちかっつーと「美しさ」や「職人技」を審美する対象として考える傾向にあります。
あ、あと純粋にファッションフォトを鑑賞するって感じ。



カルティエ100周年だそーです。おめでとー!
意外に若かったんだーという門外漢な感想はおいといて、ブルース・ウェーバーがアートディレクションと編集を手がけただけあって見ごたえたっぷりです。

綺羅星のようなセレブたちに愛されたカルティエ、まさに「Cartier L・O・V・E」。
美しいねー、目の保養になるねー、住む世界が違うとはまさにこのことだねー。

特に、昔のマハラジャのために作られたジュエリーなんて、凄すぎて思わず

「えっと、これはどこからどこまでが本物?」

と、激しく庶民な呟きを洩らしてしまいました。
全部本物だっつの。



あーもう、絵に描くのもめんどいや。

マンガやイラストを描くときの参考になればと思ったんですけどね、無理です。
いろんな意味で、勉強になりやした。

2009年11月9日月曜日

きらめきゆらめき

綺麗だなぁ・・・(ため息)。



言わずと知れた吉岡徳仁さんのプロダクト。
東京まで行くことはできなかったけど、セカンド・ネイチャー展のインスタレーションも、Webや雑誌で見るたびにうっとりしてます。

美しいものって大切。

2009年1月28日水曜日

かっこいい~!



点と線だけの表現なのに、ランウェイを歩くモデルの姿がありありと見えてきます。

これは「ピタゴラスイッチ」でおなじみの佐藤雅彦さんの2007年の作品です。
CMクリエイター時代の作品では「ポリンキー」が有名ですね。
あと「バザールでござーる」とか。
にきあの学生時代、仲間内ですんごい盛り上がってました。
クリエイターの神さまじゃないですかもう。

すごいなぁ。
何回見ても見飽きない。

あ、作品についてのあれやこれやはここでチェック!

2008年11月11日火曜日

やっぱりいいなあ。

うわあ、ひさしぶりに見た!懐かし~。
ご存知の方も多いと思いますが、昔の「みんなのうた」の一曲です。
いい曲が沢山ありました。
特にこの「まっくら森のうた」が大好きで。
今聴いてもいい曲だし、絵もきれい。ミステリアスでかわいくて、ちょっと怖くてでも優しい。月のあかりの優しさです。

「みんなのうた」では、ほかにも「メトロポリタン美術館」、「ラジャー・マラハジャ」も好きだったっけ。あとなんでかC-C-Bの「なやみのたね」ってのも、あのハイトーンボイスが妙に印象に残ってます。
「メトロポリタン」は大貫妙子さんの声もいいけど、アニメーションも最高でした!日本におけるストップモーションアニメのはしりではないかと勝手に思っています。違うか?^^;
最近のだったら(といっても、もう何年も前)ポラリスの歌に砂絵のアニメの作品。タイトルわすれちゃったけど、美しかったなぁ。

昔は曲も短かったから、ひとコマ5分で2曲聴けて得した気分でしたね。
短い時間にぎゅっと凝縮されたクオリティの高さ、今はあるのかな?
今度ちょっと見てみよう。

2008年10月7日火曜日

ヨコハマ行きたい。

横浜トリエンナーレ。
TVで紹介された内藤礼さんの作品「無題(母型)」が、とても美しいのです。
ぽかんと口を開けて「美しいな」って言葉が零れます。

「舟送り」で初めて知って以来、同時代に生きていることが嬉しくなるアーティスト。
静寂と儚さが染みてくるような世界。
連続する刹那が時間を止める、感じ。
昔、インタビューで「きれいなものを見て死にたい」と仰っていたのも、強く印象に残っています。

しかしあれですね。日本ってトリエンナーレやビエンナーレありすぎない?
来年は神戸でビエンナーレだし。
そういえば福岡アジア美術トリエンナーレはどうなったのかな?
・・・と思ったら、これまた来年開催されるようで。来年はナーレな年に決定。

2008年10月1日水曜日

「落下の王国」観ました

13の世界遺産、24ヵ国以上にロケーション!

と、謳うだけあって、素晴らしい映像美。
最近「きれいなもの」に飢えてた心にガツンと響きました。
景色の美しさ!色彩と構図!
フィルムを一時停止にして、じっくり眺めたかった・・・。
もっと大きなスクリーンで観たかったよー!!

ストーリーは観る人によって受取り方が様々でしょうが、
宣伝文にあるような”感動巨編”とはちょっと違うような。
けっこう意地悪だと思う(笑)
スパイク・ジョーンズとデヴィッド・フィンチャーがサポートしてると聞いて、頷ける感じ。
いい意味でドライフィニッシュされた映画だなと思いました。重すぎず軽すぎず。
作り話の世界では虚構を虚構らしく審美に軸を置いた展開、実世界のほうでは少女の健気さに心打たれますが、上手い具合に作り話へとシフトしていくので、過剰な涙腺狙いに歯止めが掛かってる。
あ、でも泣いてるお客さんもいたから、私の涙腺に響かなかっただけかも??(苦笑)

それにしても衣装の石岡瑛子さん、さすがの仕事ぶりですね~。ツボを心得てはる。
ワイルドかつエレガントなコスチュームにたくましい二の腕、乙女心がトキメキます(笑)

2008年9月7日日曜日

「タッジオは君だ」と、にきあは言った(心のなかで)。

突然ですが。
絶世の美女ないし美男子というのは、果たしているんでしょうか。
小説やマンガではわんさか登場するけど、現実はどうなの?そもそも絶世って大げさすぎじゃん?って、常々疑問に思っていました。

美醜の判断は容易につきますが、そこに主観的な「好み」というか嗜好が反映される上に、対象が美術品ではなく生身の人間ということになると、生命維持のバックグラウンドを思わせる何かがにじみ出ていたりして、つい「生活」を想像してしまいます。「意外にお肌荒れてるなぁ、野菜不足?」とか。大きなお世話だけど(^^;)

ところが。話は飛んでパリのメトロでのこと。
私の長年の疑問に答えが出ました。いたんです、絶世の美形ってやつが。

しばらくは気づかなかったのですが、ふと車内を見てみると、マネキンが乗ってました。

「なんでマネキンがこんなところに?!」と本気でビックリ、それが生身の人間であると気付くのに数秒かかりましたよ。
プラチナに近い金髪(しかも巻毛!)、蒼白で濁りのない肌、すらりと伸びた手足・・・。ボキャブラリーが貧相でこれ以上は言い表せません(涙。

一見性別が判断できなかったのですが、体つきからして男性でした。
「絶世の美男子」です。
どこにも人間らしさがない。感情もないような、一切の能動を停止したまさに人形のようでした。さすがに周りの乗客もチラ見してて、かなり気になってる様子。当の本人は手すりに凭れて微動だにせず、ぼんやりと床を見てました。うーん、完璧な横顔。絶妙な鼻の高さ、あごのカーブ。

数分後、そんな車内の密やかな視線をさらりと交わして、ジョルジュ・サンクで降りていきました。シャンゼリゼに人外の美形。もしかしてどこかのメゾンのモデルだったのかな?

・・・と、まあ、そんなことを思い出したのは、「日本の名随筆72 夜」(作品社刊)を読んでいて、吉田健一の「百鬼の会」にこんな一説を見つけたからなんですが。

美人といふのは美男子とともに、幾らか人間であることをやめたものではないだらうか。


そのとーりっ!(力説)
それが絶世という冠をつけるに相応しいものならば、それはもう人ではありません。人形です。鉱物レベルの美しさ、時間を止める永遠性を持つ勢いです。

もうね、偉そうに纏めてしまいますよ。
ルキノ・ヴィスコンティに教えてあげたかった、と。

2008年8月31日日曜日

ボストン美術館 浮世絵名品展

を、観てきました。

会期末ギリギリだったので、すごい数のお客さん!展示室は押し合いへしあいの大混雑でしたが、「これを逃すとボストンまで行かなきゃなんない!」と、大げさにハッパをかけおのれを奮い立たせて鑑賞しました。

浮世絵の黎明期から爛熟期まで、順を追いつつその時代を代表する絵師の作品を展示。

菱川師宣はじめ初期の浮世絵の描線際立つ流麗さもいいけど、やっぱり幕末期のダイナミックで彩色鮮やかな「錦絵」に目を奪われました。
特に北斎の「神奈川沖浪裏」に代表される、「べろりん」なるプルシアンブルーの顔料が使用されるようになってからは、ぐっと深みが出てきたというか。
実際はとても深く鮮やかな紺青なんですね。黄や紫も鮮やかに残っていて、保存状態が素晴らしい!ボストン美術館では作品の良好な状態を保つために、一度展示したものはその後数年間はお蔵入りにしてしまうとか。なるほどねぇ。

にきあの大好きな歌川国芳も予想以上に多く展示されていました。
怪奇画にすら、あっけらかんとしたユーモアがあってのびのびしてる。そりゃあ猫だって踊っちゃうさ☆
役者絵や美人画などに代表される浮世絵って、どこか退廃的なイメージが強いけど、そんな先入観をかる~く覆してくれます。
他の絵師の作品にはあまり見られなかったのですが、国芳の風景画には後ろ姿の人物がわりに大きく、画の主役に描かれているものがいくつかあって、ちょっとこう、ななめ後ろから見た感じの、表情は見えないけど耳から項、端折った裾から伸びる足の描線がなんとも健康的で、晴れ晴れとした紺青の青空と相まって、気持ちいい眺めの風景画でした。
図案も優れているし、特に衣装の柄は独創的でおしゃれだな~って思ってたら、染物屋の倅だったそう。なるほどねぇ。

そんなこんなで国芳ばかり絶賛しちゃいましたが、もちろん他のビッグ絵師の作品も充実していて、たいへん素晴らしゅうございました。いい仕事してます。見ごたえたっぷりのまさに名品展、ごちそうさまでしたっ!