2008年8月31日日曜日

ボストン美術館 浮世絵名品展

を、観てきました。

会期末ギリギリだったので、すごい数のお客さん!展示室は押し合いへしあいの大混雑でしたが、「これを逃すとボストンまで行かなきゃなんない!」と、大げさにハッパをかけおのれを奮い立たせて鑑賞しました。

浮世絵の黎明期から爛熟期まで、順を追いつつその時代を代表する絵師の作品を展示。

菱川師宣はじめ初期の浮世絵の描線際立つ流麗さもいいけど、やっぱり幕末期のダイナミックで彩色鮮やかな「錦絵」に目を奪われました。
特に北斎の「神奈川沖浪裏」に代表される、「べろりん」なるプルシアンブルーの顔料が使用されるようになってからは、ぐっと深みが出てきたというか。
実際はとても深く鮮やかな紺青なんですね。黄や紫も鮮やかに残っていて、保存状態が素晴らしい!ボストン美術館では作品の良好な状態を保つために、一度展示したものはその後数年間はお蔵入りにしてしまうとか。なるほどねぇ。

にきあの大好きな歌川国芳も予想以上に多く展示されていました。
怪奇画にすら、あっけらかんとしたユーモアがあってのびのびしてる。そりゃあ猫だって踊っちゃうさ☆
役者絵や美人画などに代表される浮世絵って、どこか退廃的なイメージが強いけど、そんな先入観をかる~く覆してくれます。
他の絵師の作品にはあまり見られなかったのですが、国芳の風景画には後ろ姿の人物がわりに大きく、画の主役に描かれているものがいくつかあって、ちょっとこう、ななめ後ろから見た感じの、表情は見えないけど耳から項、端折った裾から伸びる足の描線がなんとも健康的で、晴れ晴れとした紺青の青空と相まって、気持ちいい眺めの風景画でした。
図案も優れているし、特に衣装の柄は独創的でおしゃれだな~って思ってたら、染物屋の倅だったそう。なるほどねぇ。

そんなこんなで国芳ばかり絶賛しちゃいましたが、もちろん他のビッグ絵師の作品も充実していて、たいへん素晴らしゅうございました。いい仕事してます。見ごたえたっぷりのまさに名品展、ごちそうさまでしたっ!

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