2008年6月23日月曜日

「教えてちょうだい、魂を調理するときのソースは何?」

吸血鬼のアンソロジー「ヴァンパイア・コレクション」(ピーター・ヘイニング編、角川文庫)より、シオドア・スタージョンの短編「闇の間近で」のなかのセリフ。

ネットで吸血鬼ものの小説を漁ってると、必ずでてくる作品がシオドア・スタージョンの「きみの血を」。
ずっと気になりつつも作品に対する評価にバラつきがあるように思えて、なんとなく手を出しにくかったんだけど、今回、アンソロジーの中に偶然スタージョンの短編を見つけて(お目当てはスティーヴン・キングだった)、その面白さに夢中になってしまいました。
不吉で陰気で、明け方に見る悪夢みたいに虚実がないまぜになった不思議な読後感。一言で言えば、すっきりしないってことですがw
そこが評価が分かれるところなのかな?他の作品読んでないからわからないけど、出だしからして、人を煙に巻くような書き出しで、面白かったです。

あと、比喩というか言い回しというか、はっとさせられる言葉が多い。
上のセリフは、人間の魂を吸いとる悪魔のくだりで、魂を食肉にたとえて議論する主人公ティナの一言。
皮肉とユーモアがあって、それでいて的確な喩えで印象に残りました。

ちなみにそのソースは「感情」なんだって・・・黒こげローストにはなりたくないな。

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